先進国の中でも日本は性教育が遅れています。小学生・中学生の子供達への性教育がやっと改定され、2020年度~2021年度に実施されます。今どきの小学校・中学校の子供の性教育学校で教えていること、今後の性教育の内容についてご紹介します。
子供の性教育が遅れている日本
今の日本では16歳になれば女の子は結婚できる(2022年4月に18歳に引き上げ)のですが、その直前の15歳までにきちんとした性教育が行われていないのが現状です。
2020年現在の中学生の学習指導要領は遅れすぎ
2020年現在の中学生の学習指導要領の特徴は、
★出産の知識
までを軽く触れるだけ
であり、
★××性交(セックス)・避妊・人工妊娠中絶は説明しない
という指導内容なのです。
このご時世、普通にゴールデンタイムのドラマや映画でベッドシーンもありますし、バラエティー番組や、ニュースなどでも性の話題を取り扱っています。今どきの小学生高学年・中学生に、「子供は、コウノトリが運んでくるんだよ~!」なんて話は通用しませんよね。
漫画やアニメ、雑誌や、インターネット(スマホやパソコンなど)からも手軽に情報を手に入れられるようになりました。意図的でなくとも、スマホゲームの広告や動画サイトなどでもアダルトコンテンツが表示されることもよくあります。
気を付けなければならない本当に大事な知識を手に入れにくいため、小学生・中学生の子供が性関連の事件を起こしてしまったり、犯罪に巻き込まれることが後をたちません。
驚くべきことに、2017年度には人工妊娠中絶をした15歳以下の女の子は736人もいるのが現状です。先生たちの間でも学習指導要領の内容を超えた指導の必要性を感じている方が増えてきています。
2017年2018年学習指導要領改訂、実施は2018年度~2022年度
2017年と2018年に約10年ぶりに学習指導要領が改訂・改正されました。その内容が実施されるのは、2018年度~2022年度になります。
幼稚園(幼稚園教育要領) 2008年改訂2017年改訂・2018年度~全面実施
小学校(学習指導要領) 2008年改訂2017年改訂・2020年度~全面実施
中学校(学習指導要領) 2008年改訂2017年改訂・2021年度~全面実施
高等学校(学習指導要領) 2009年改訂2018年改訂・2022年度~年次進行で実施
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1383986.htm
やっと改定されると思われていた、小学生・中学生の子供たちの悩み
★体の変化(生理・月経・発毛)・包茎・精通・マスターベーションだけでなく、
★避妊具(コンドーム)の必要性
★女性用の避妊方法「ピル」について
★人工妊娠中絶について
★体が成熟しないうち・経済的に自立していないうちに赤ちゃんができてしまうと、自分も相手も、生まれた子供も人生を台無しにしてしまう可能性がある
★性病に対する知識(命に関ったり、将来妊娠できなくなる可能性も)
★望まない妊娠に対する適切な対処法【相談方法・費用・緊急避妊薬(アフターピル)】
★インターネット・SNSの不適切な使用による危険性(犯罪)
などが、指導できるようになると思われていましたが、学習指導要領の中身を確認したところ、ほとんど進展がない様子です。
平成29年に改定され、今後実施予定の指導要領はこちら。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1384661.htm
学習指導要領では、「妊娠の過程については取り扱わないこと」とされているのです。
進展がない理由としては、
★逆に、不必要な知識を教えてしまうことで興味を持ってしまい、問題が増えてしまうという懸念
★保護者の方から、やりすぎではないかというクレームが来る懸念
★教育者としても、いままできちんと教えた経験がないため、困惑している
などがあげられるようです。
現在は学校ごとに手探りでモデル授業がおこなわれています。日本は先進国と比べると性教育後進国です。テレビやネット、雑誌などからの偏った知識でなく、正しくて必要な知識が子供に伝わるように学校でも教えてくれるようになってほしいものです。機会があれば少しずつ家庭で教えていく必要もありそうですね。
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