小学校の特殊学級(特別支援学級)はどんな学級(クラス)なのか、特別支援学級クラス編入基準、通級学級についてご紹介します。
特別支援学級とは?
どんな学級?
障害を持った児童に対して、小中学校に特別に配置された学級で、
一人一人の特性やニーズに合わせて、障害による生活面や学習面で困難なことを克服するために、きめ細やかな教育を行います。
特殊学級と呼ばれていたこともありましたが、平成19年に改正された学校教育法に伴い、現在の名称【特別支援学級】に変わりました。
障害の対象は多岐に渡ります。
・肢体不自由者
・身体虚弱者
・弱視者
・難聴者
・その他の障害があり、特別支援学級において教育を受けることが望ましい者
1クラス当たり、8名定員が基本になっており、少人数の学級編成となっています。
そのため、一人一人の障害の特性に合わせて配慮され、困っていることを支援できるような教育を行っています。
教室は設置物などを分かりやすくして、視覚的に情報が入りやすい作りになっています。
もちろん、安全面は第一に配慮されています。
子供の障害の特性や発達に合わせて、通常学級の授業に参加することもあります。
朝の会は参加して、残りは特別支援学級で過ごす。
または、特定の教科だけ通常学級で授業を受けるなど、子供によって様々な配慮や取り組みがなされています。
現在、小中学校の約80%が特別支援学級を設置しています。
ただし、高校では設置している例は見受けられません。
特別支援学級に入る(編入する)ための基準は?
障害の種類に合わせて、7種の学級があります。
それぞれ一定の基準があります。
知的発達の遅れがあり、他の人との意思疎通が難しく(軽度の困難)、日常生活を送るに一部、援助を必要とする。社会生活へ適応することが困難な場合
・肢体不自由者
補装具を使用しても、歩くことや書くことなど、日常生活での基本的動作に軽度の困難がある場合
・病弱者及び身体虚弱者
慢性の呼吸器の疾患や、その他の疾患の状態が、生活の中で持続的に医療行為や管理を必要とする場合。身体が虚弱で、生活の管理が持続的に必要な場合
・弱視者
拡大鏡などを使っても、通常の文字や図形などの認識が困難な場合
・難聴者
補聴器などを使っても、通常の会話などを聞き取る(理解する)ことが困難な場合
・言語障害者
口蓋裂や構音障害のある者。吃音など会話においてリズムの障害がある者。話す、聞くなど言語機能の発達に遅れがある者。その他、これらの障害あり、その程度が著しい場合。
・情緒障害者
自閉症やそれに類するもので、他人との意思疎通や対人関係を作ることが困難な場合。心理的な要因が元でかん黙などがあり、社会生活の適応が困難な場合。
この7つの基準をもとにして、住んでいる市区町村での就学相談を行い、保護者の意見を尊重して決められます。
特別支援学級への入り方(編入方法)は?
小学校入学の場合は、まずは市町村内の教育委員会に問い合わせます。
ホームページに情報を公開してある場合もあります。
年長児の春ごろに特別支援学級の説明会があります。
無い場合でも、教育委員会では療育センターや保育園、幼稚園と連携して情報を集めている場合もあります。
年長児の夏から秋にかけて、就学相談があります。
ここで聞き取りや検査などを行い、就学先を決定します。
療育センターにかかっている場合は情報が入りますが、そうでない場合は、教育委員会へ連絡をしましょう。
通常学級から編入する場合は、小中学校内で決定されます。
校内でそのための委員会が開かれ、支援方法などを話し合います。
保護者からの申し出、先生からの助言により編入する場合があります。
通級学級とは?
特別支援学級と同じく、障害を持った児童のために通級学級という制度があります。
これは障害が比較的軽度な児童のためのものです。
普段は小中学校の普通学級に通いながら、通級をして特別な指導を受けます。
普段は通常学級に在籍し、週に数時間通級教室に移動して、苦手な教科などを個別に教えてもらうこと。
通級学級は行っていない小中学校もあるので、その場合は近くの通級学級を行っている小中学校にその時間だけ通います。
通級学級の時間は、
・放課後など時間割以外
の、2つの場合があります。
内容は、主に自立に関しての活動が中心です。
・心理的な安定のため
・人間関係を形成するため
・環境を把握するため
・身体の動きに関して
・コミュニケーション能力をつけるため
以上の6つの区分で指導があります。
これらを一人一人の特性に応じて指導を行い、心身ともに発達することを促していきます。
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