父親母親が発達障害の場合、子供に遺伝する確率は高いのか、低いのか?また、親の発達障害は子供の兄弟、両方に遺伝するのか、発達障害と遺伝についてご紹介します。
★自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群・ADHD・ダウン症の違い
現在、発達障害の原因について分かっていること、分かっていないことがそれぞれあります。
・妊娠中の母体の環境も影響している
・遺伝的要因と環境的要因が複雑に合わさっている
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現在研究中でわかっていないのは・・・
・遺伝子が突然変異して発症するのか(遺伝しないということ)
・環境的要因は何があるのか
・父親母親から遺伝する確率
残念ながら「父親母親から遺伝する確率」がまだ研究中ではっきりと分かっておらず、発達障害が親から子供に遺伝するか?ということは未解明です。
ただ、遺伝子が原因であることははっきりとしており、
発達障害と遺伝との関係はグレーゾーン(どちらともつかないこと)であることは確かです。
多くの研究がなされ、様々な報告がなされていますので、以下に見ていきましょう。
発達障害の一つである自閉症スペクトラムについて、自閉症スペクトラムのきょうだいがいる場合、他のきょうだいも自閉症スペクトラムである確率は、
という報告があります。
全く同じ父母の遺伝子を受け継いでいる一卵性双生児にてきょうだいの発達障害の割合が高い(約80%)ため、
発達障害は遺伝と関係がある可能性が高いようです。
二卵性双生児の場合も、通常のきょうだいより「若干確率が高い」のも遺伝が関係している可能性を示しています。
発達障害の一つであるADHD(注意欠陥/多動性障害)について、母親よりも父親からADHDを受け継ぐ可能性が高いという報告があります。
これは親族にさかのぼっても、母親・祖母・伯母よりも父親・祖父・伯父からの方が遺伝するリスクが高くなっています。
この他にも、高齢の父親から生まれた子供は発達障害が発症するリスクが高いという報告もあります。
しかし、いずれも報告に過ぎず、確定した結果ではありません。
★高齢父親・母親高齢出産で自閉症や発達障害児が生まれる確率が高い?
保育園などの先生は、親とも接する機会が多くあります。
この時、子供が発達障害の場合、親に接してみると、親も発達障害の可能性があると感じることが多くあるようです。
発達障害について知られてきたのはここ十数年のことですので、発達障害を持ちながら、知られずに(診断を受けずに)親になっていることが多くあります。
このことから、父親母親からの遺伝もあるのでは?と感じる事が多いようです。
もちろん、医学的な見地からのことではありませんので、確定的なことではありません。
発達障害の原因である遺伝子は、分かっているだけで約100種類あり、環境要因についても、有害物質であるダイオキシンや、ビタミン・ミネラルの欠乏が原因という説もあります。
これら様々な要因が絡みあって発達障害が発症します。
まだまだ未解明な部分が多く、現段階では、発達障害は親からの遺伝だけで発症するものではない、ということが言えるでしょう。
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