幼児・小学生の頃の悩みの種が食べ物の好き嫌い。好き嫌いが多い子供の原因はどんなものがあるのかと、食べ物の好き嫌いの克服方法をご紹介します。
舌の上には、味蕾(みらい)という味覚を感じる器官があります。
実は、子供の頃は、この味蕾の数が1万個もあります。
味蕾は子供の頃をピークに徐々に減って、20代では5千個まで減ってしまいます。
この事から、子供の頃は味(味覚)にとても敏感であると言えます。
味覚には甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5種類があります。
この内、酸味と苦味は腐った物や毒を感じるシグナルとも言われています。
子供の頃に苦い食べ物(ピーマン、にがうりなど)、酸っぱい食べ物(酢の物など)を嫌うのは仕方のないことなのです。
子供の成長にとって、家庭環境は大きな影響を与えます。
これと同じく、食の環境が好き嫌いの原因になります。
子供は基本的に親が出す食べ物を食べます。
つまり、親が偏った物しか食卓に出さなければ、食の経験が少なくなり「食べず嫌い」が生まれてきます。
たとえ、口にしたとしても、子供は食べたことのない物は遠慮する、嫌う傾向にあります。
家庭での食環境、食経験はとても大切なのです。
子供は経験や知識が大人よりも少なく、初めての食べ物にはイメージが湧かず、ついつい敬遠してしまいます。
それでも、好奇心から「美味しそう!」「こんな味かな?」と口にしてしまうこともあります。
美味しかったり、好みの味ならば良いのですが、予想に反した場合はより一層新しい物が苦手になります。
食経験がマイナスに働く場合と言えるでしょう。
食材には様々な種類の臭いがあります。
これらは一例ですが、子供が特定の臭いを嫌うことはあります。
臭いが嫌いであれば、もちろん口に入れようとしません。
また、調理中の臭いも好き嫌いの一因になることがあります。
これらも一例ではありますが、それぞれ独特な臭いがします。
その臭いだけで食べたくない!と思うことも多いようです。
また、食器や箸などの臭いに敏感な子供もいますので、しっかり洗う、または臭いの少ない洗剤を使うなど工夫をしましょう。
当たり前ですが、子供の口や口の中は小さく、歯も十分に生えそろっていない場合もあります。
その年齢に合った食べ物の大きさや形があり、好き嫌いというよりも、食べることができない場合があります。
親が良かれと思っても、硬すぎたり、大きすぎるのはよくありません。
子供の発達段階に合わせて食べ物の大きさや硬さを選びましょう。
親としては子供には好き嫌いなく食べてほしいものです。
しかし、無理をして食べさせると、トラウマになることも考えられます。
子供の頃は野菜が嫌いなことが多いですが、大人になったら食べられるようになったという話はよく聞きます。
親として、じっと我慢することも大切です。
それでも好き嫌いは…と思うのが親心です。
野菜を小さく刻んで、じっくり煮込みましょう。
あげる時は、まず汁のみにして、徐々に小さな野菜を入れていきましょう。
そのようにして、良い意味で妥協していくことも必要です。
子供は味覚が敏感なので、嫌いな物が入っているとすぐに気づきます。
ただ、できる限り細かく切ったり、味や形を消す方法があります。
野菜の場合、細かく刻んで野菜スープにすると野菜の味が消えます。
お好み焼き、ハンバーグなどにも細かく刻んだ野菜をたくさん使うことができます。
そのようにして、色々試して、食べることができる物を増やしていくと良いでしょう。
子供が嫌いな物は、野菜が圧倒的に多いのですが、すごく嫌がる場合は果物で栄養を摂りましょう。
例えば、ビタミンCや食物繊維を摂りたければ果物を食べることが効果的です。
もちろん糖分が多く食べ過ぎには注意ですが、適量であれば問題ありません。
子供の頃は、楽しんで好き嫌いを克服できると良いですよね。
そこで、見た目を大切にしてみましょう。例えばキャラ弁が人気なのは、もちろん見た目が楽しめることが一番なのですが、それを食べる楽しみもあります。
食卓でも、盛り付けを考えてみましょう。
食べるのが楽しくなりそうですね!
子供にとって食事は作ってもらうものですが、自分で作ってみると、とても楽しいものです。
保育園などでも調理体験をしますが、自分たちで作った料理は喜んで食べるようです。
嫌いな物があっても、頑張って食べようとします。
家庭でも、親と一緒に料理をしてみましょう。
作ること自体が、食べる意欲につながります。
嫌いな物を料理しても、自分で作った物は美味しい…と感じる良いきっかけになることでしょう。
子供の喰わず嫌いを克服するときは、「もし、自分だったらこうしたら食べたくなるのかも…」と子供の目線になって考えてみましょう。
もし、頑張って嫌いな食べ物を食べることができたら、いっぱいほめてあげましょう!