小学生・中学生の不登校・登校拒否の原因と割合、不登校の親の対応・対処法についてご紹介します。
義務教育9年間で見ると、学年が上がるごとに不登校、登校拒否の人数の割合が増えています。
特に、中学生が多いのですが、小学生でも年々増えている状況です。
不登校児童の生徒数の割合は、
★小学生では、1000人当たり5.4人(185人に1人)・・・0.54%(1%未満)
★中学生では、1000人当たり32.5人(30人に1人)・・・3.25%(約3%)
となっています。
小学生では1学年に1人程度、
中学生では1クラスに1人程度
といった人数になっています。
不登校の原因や、親の対応はどうしたらよいか?などをケース別に見ていきましょう。
★まずは、子供と話をして、どういう状況か聞いてみましょう。
原因がわからない場合や、親だけでは対処できない場合には、
★担任の先生に相談することが重要です。不登校の原因となった手掛かりをもらうことが可能です。
ただ、担任先生に問題があるケースや、担任の先生では解決できそうにない場合は、
【保健の先生や、教頭先生・校長先生】、それでもダメな場合は【教育委員会】に相談してみます。
暴行・盗難・恐喝など、刑事事件がらみであれば、警察に相談することも検討してください。
不登校の原因としては、
などが考えられます。それぞれについて詳しい原因や対処法をみていきましょう。
【原因は?】
小学校低学年(小学1年生・2年生)の頃に多いのですが、自分で色々なことをやっていこうという「自立心」がまだ十分に育っていないため、親と離れることが不安で不登校になってしまう場合があります。今まで、ずっと近くにいた親がいなくなることが強いストレスになり、寂しくなったり不安になるのが原因であることが多いです。
一般的には、小学校低学年の子供は、急な親離れにより心が不安になりやすいです。家にいる間は「できる限り子供の心の安定をはかる」ようにしていきます。
成長とともに自立心は育ってきますので、だんだんと解消していくことが多いです。
★まずは、子供とできる限り話をするようにしましょう。
★時にはぎゅっと抱きしめてあげることも効果的です。
学校はどんな感じなのか、何かつらいことや嫌なこと、寂しいことなどはないか、親身になって聞いてあげましょう。
★学校で頑張ったことをほめてあげるのもよいです。
話を聞くことで、子供は応援されていることを感じとれて安心できますし、ほめてもらうことで、また頑張って行ってみよう!と思うようになってくるはずです。
もし、なかなか話をしてくれない…、原因がわからない…といった場合には、
★一度担任の先生に相談してみましょう。
担任の先生から学校での様子を聞いてみると、解決法がわかるかもしれません。
★心が不安定な間は無理して学校に行く必要はないと思います。無理に登校させると悪化する恐れもあります。
心が安定してきたら、少しずつ学校へ行ける時間・回数を増やしていきます。
学校を休ませた場合は、いったん、親と一緒にいる時間を増やし、心が安定してきたら、家庭内で、少しずつ親離れできるように、自立心を育てていきましょう。
家ではなるべく自分のことは自分でできるように練習していきます。生活面などを、親が手伝いなが少しずつ一人でやらせるようにしていき、できたら褒めて、自分でできる!という自信をつけていきましょう。本来学校に行くべき時間には、子供と一緒にいる時間を少しずつ減らします。
色々なことに自信がついてくることで、学校生活になじめるようになるので、その時は学校の先生方に協力してもらいながら、徐々に登校できるようにしましょう。
★もし子供が学校へ行くことを決心したら、少しずつ慣らしていくため、「校門の前まで」送り迎えをしてあげるのもよい方法です。
学校に慣れてきて、お友達ができたり、いろいろな行事が楽しくなってくると寂しさがだんだんとなくなってきます。
【原因は?】
保育園、幼稚園でも集団での生活を送りますが、小学生になると、そこにしっかりとしたルールが加わり、それを守ることを求められます。その細かなスケジュールや集団での行動がストレスになり、不登校になる場合があります。また、発達障害が原因で集団行動ができない場合もあります。
子供にどういうことが嫌だったのかを聞いてみましょう。
先生や学校に協力してもらい、学校での様子を教えてもらいます。どんなことが苦手で、程度はどのくらいなのかを知ることから始めます。
お近くの、子供相談支援センターに電話や直接訪問に相談するのもおすすめです。必要であれば、精神神経科、心療内科、メンタルクリニックなどに相談すると、カウンセリング・ケア、薬の処方、適切なアドバイスなどを受けることができます。
休んだ後、いきなり通常クラスに戻るのが心配な場合は、学校によっては、専用のクラスにてリハビリを受けられる「別室登校」という方法があります。慣れてきたり、状況が改善すれば、通常クラスに戻ることができます。
【原因は?】
学校の授業は、遅れている子に合わせてくれません。平均的な子に合わせて授業が進んでいきます。そのため、いったん理解できないとその後の授業もわからないといった状況が続いてしまいます。
意味のわからない授業を聞き続けるのは子供にとって苦痛で、不登校につながってしまう場合があります。
また、正しい方法で学習してもなかなか成績が上がらない場合は、発達障害(学習障害・LD)が原因の可能性もありますので、子供の様子、特性(特徴)をしっかりと把握しましょう。発達障害の可能性が心配される場合は、医師の診断を受け、適切な療育を受けることで、学力が改善する場合もあります。病院などに相談しましょう。
勉強面が不登校の大きな原因である場合、学校を休んでしまうことでますます授業についていくことができなくなる可能性が高まります。
できれば休まないようにして、学校のお休みの土日祝日や、学校が終わってから自宅でわからない部分の勉強を補うことが理想ですが、どうしても大幅に遅れてしまっている場合は、休んで補うことを考えてもよいでしょう。まずは、学校の勉強がどこまで進んでいるのか把握します。
本人に聞いてみてわからなければ、同じクラスのお友達や知り合いの親や担任の先生に聞いてみましょう。
そして、今進んでいるところが理解できるまで、家庭で親と一緒に時間をかけて勉強面のサポートをしていくことが重要です。
親が対応できない場合は、家庭教師を頼むのも一つの方法です。そして、今までの学習内容を補うことができたら、再び授業についていけなくなることを避けるためにも、
現在授業で行っている部分の予習を行いましょう。
もし、学校を休ませている場合、しっかり準備が整ったら学校に行かせてみましょう。勉強がわかってくると、勉強が原因による不登校も解消されてくるはずです。
近年、ゲーム障害という言葉が生まれるほど、スマホやゲームの普及による不登校・登校拒否が増えてきています。
★スマホで遅くまでユーチューブなどの動画視聴
★スマホでインターネット
★遅くまでスマホゲーム
★3DS・Switch・WiiUといったゲーム
★友達・知人とSNSでメッセージのやり取り
スマホやゲーム・SNSが原因で、夜遅くまで起きているために、朝が起きられなかったり、学校に行くより家でユーチューブを見たりゲームをしていたほうが楽しいといった理由で、不登校・登校拒否になる子供が増加しています。
スマホやゲームは中毒性が高いため、中毒になってしまっている場合は、物理的に隠したり・取り上げたりして制限をかけます。
例えば、夜〇時以降は禁止、1日30分といったルールを作るとよいでしょう。きちんと勉強をしたり、片づけをしたりした場合に解禁するという方法もよいでしょう。
症状がひどい場合は、学校の先生に相談したり、精神科などの受診も検討してください。
【原因は?】
学校では様々な人間関係があり、上手くいかずに悩む子供が多くいます。最近ではスマホの普及により、クラスや友達間でトラブルが起きたりすることも増えています。
この中でも、友達とのトラブルで不登校になる場合が最も多いようです。
グループに入れない、上下関係がつらいなどの原因があります。
ただ、いじめが原因で不登校になる割合は約2%ほどと発表されていますが、学校がいじめと認めていない場合があるので、潜在的にはもっと多い可能性があります。
まずは学校を休ませ、心身共にリラックスできる時間を作りましょう。いじめの場合は加害者が悪いことがほとんどです。子供に非が無いことを伝え、味方になってあげましょう。
その上で、学校に相談し(担任ではなく、教頭など上の職の先生に直接伝えると、早く動いてくれます)、適切な対応をとってもらいます。
解決しないで無理に復帰すると、精神的に追い込まれ、自傷行為に及ぶ可能性もあります。場合によっては転校やフリースクールも視野に入れておきましょう。
学校に戻る時は、別室登校から始めて、ゆっくりと友達の輪の中に戻れるように配慮してもらいましょう。
【原因は?】
不登校の原因の約25%が、無気力によるものと言われています。
他にも様々な理由があり、子供それぞれで理由は違うようです。
心が疲れていますので、まずは学校を休ませて、自由に過ごさせてあげましょう。無理やり学校に行かせたり、励ましたりすることはかえって逆効果です。
ただ、昼夜逆転の生活にならないように、家族との生活は同じ時間を過ごすようにしましょう。
家でテレビを見たり、スマホやゲームをしたり、だらだらする生活になってしまうため、ただ見守るだけでは不登校の期間が延びてしまいます。
落ち着いたら外に出かける、運動をする、夢中に取り組めるものを見つけるなど、やる気を取り戻させてあげましょう。やがて学校に興味が持てるようになったら、学期のはじめや行事の時に登校できるように目標を持たせましょう。
【原因は?】
親子の関係の悪化、夫婦間の仲が悪い、離婚などの生活環境の変化などにより不登校になる場合もあります。
自室にこもってしまったり、家庭に居たくないために、外へ出かけ非行に走るなど反応は様々です。親が原因で子供がストレスを抱えてしまうケースもよくあります。
まずは、原因が解決するまで学校を休ませましょう。そして原因となっている要因をできる限り取り除けるよう、努力してみてください。
親子関係を修復するために、お互いの気持ちを話しあうのもよい方法です。家庭環境を改善する適切な対応をとっていけると、お子さんも不登校から復帰することができるかもしれません。
不登校、引きこもりの原因をいろいろ上げてみましたが、子供が学校に行きたがらない(不登校・登校拒否)場合、具体的な原因がわからないことがほとんどかと思います。
という理由で話せず、原因が分からないので問題解決に進めないケースが多いでしょう。
そんな時の親のおすすめの対応は、気軽に話してもらえる関係を作ることです。
を伝えていきましょう。
自分もいじめや人間関係、勉強などでいろいろ悩んだことがあったから、何か力になれることがあるかもしれないと話してみるとよいでしょう。
普段仕事で忙しく、なかなか子供に向き合えない時ほど、あえて子供との時間を作り、話し合いの場、気分転換の時間を作ってあげると、子供は喜ぶかもしれません。
不登校、引きこもりは早期に解決することは難しい問題です。親御さんも自分たちだけで抱え込まず、学校、自治体、専門機関に相談しましょう。
長い目で子供と向き合い、社会復帰できるために親子で頑張っていきましょう。
何かしらの参考になりましたら幸いです。