子供の足が痛いのは成長痛?病気?病院は何科?足首太もも等

子供の足が痛いのは成長痛なのか他の病気なのかや、病院は何科へ行けばよいのか、足裏・太もも・付け根・足首・膝など部位別に考えられる病気をご紹介します。

監修|りふれ整体院 整体師 清水

子供の足が痛い時、病院は何科?

まず、子供が足が痛い!と言う時には緊急性があるかどうかを判断し、痛みがひどい場合や、どんどん悪化する場合は、すみやかに医者へ行き診断を受けましょう。

子供は自分の痛みの強さや場所などを詳しく説明することができない場合もあります。重大な病気・障害につながる場合もありますので、小さい子供の場合は、大したことがなさそうな場合でも病院を受診することをおすすめします。

受診する科は、整形外科が主になります。整形外科は、関節炎などの足の痛み全般から、しびれ、ねんざなど幅広く診てもらうことができます。どこの科を受診するか迷う時は、かかりつけの小児科に相談したり、整形外科に電話で症状を伝えて診てもらえるか聞いてみるのも良いでしょう。

本記事は、あくまで、病院を受診する際の知識として、このような病気も考えられるという程度でご覧いただければと思います。

まずは、子供の足が痛い原因でよくある、打撲傷や捻挫、成長痛をご紹介した後、まれにある病気をご紹介します。

部分的に足が痛い~打撲傷や捻挫

転んでしまい、足を打ちつけたり、ひねってしまったことで足が痛む場合があります。痛くて歩けないようなひどい痛みがある場合は病院にて診てもらってください。
血が出ていれば、血と汚れを洗い流し、絆創膏や清潔なガーゼを当てましょう。患部が熱を持っているようであれば、湿布を張るのもよいでしょう。

時間がたって痛みがどんどん増してきたり、なかなか改善が見られない場合は医者を受診しましょう。

足首・膝などが痛い~成長痛

・特徴幼児から小学校低学年に多く見られる症状です。足首の痛みをはじめ、膝などにも痛みがでることがあります。よく、夕方から夜にかけて痛みますが、約1時間ほどでおさまることが多いのが特徴です。

・原因…はっきりとした原因はわかってませんが、まだ骨や筋肉、関節などが未完成な時に、日中に激しく動くと、疲れがたまり、痛みの原因になると考えられています。成長期によく起こる、原因不明の痛みなので「成長痛」と名付けらています。

・対処法症状・原因に応じて対処法が異なります。必ず医師の診断・指示を受けましょう。炎症が起きている場合は、安静にし湿布を貼ったりしますし、炎症ではなく疲労が蓄積していたり、硬くなっている場合には、温めたり、伸ばしたり、マッサージを行ったりします。痛みがひどい時は、一般的に処方される解熱鎮痛剤が効きますが、主治医の先生などに相談して服用するようにしましょう。

マッサージやけん引などを自己判断で行うと、悪化させる可能性がありますので、絶対に行わないでください。

子供の【足裏】が痛い時の原因と病気は何がある・対処法は?

踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)

・特徴…別名、シーバー病やセーバー病とも呼ばれます。
8歳から12歳くらいまでの、特に男の子に多い症状です。かかとが腫れる、歩く時に痛みを伴う、押すと痛いなどの症状が見られます。

・原因…かかとの骨で、アキレス腱が付着しているところ(踵骨骨端部)が、強い運動などで損傷することで起こります。

・対処法…第一に、安静にすることです。運動は控えます。かかとに体重がかからないように、松葉杖を用いたり、靴にヒールパッドという、中敷きを使用したりします。

フライバーグ病

・特徴…別名、第2ケーラー病とも呼ばれます。
12歳以上の女の子に起こりやすい病気です。足指の付け根の裏側、足の甲が痛むのが症状です。

・原因…幅の狭い靴での長時間の歩行や足指を使う運動で、足指の付け根に大きな負担がかかり、軟骨が損傷することで起こります。

・対処法…痛みのある部分を動かさず、できるだけ安静にします。
軟骨の損傷が激しい場合は手術が必要になります。早期の受診と発見が必要です。

子供の【足の付け根(太ももの付け根)】が痛い時の原因と病気は何がある・対処法は?

股関節炎

体重が重く、股関節に負荷がかかっている子や、サッカーやバスケ・野球、テニスなどのスポーツをしている子供に多いのがこの股関節炎です。股関節が激しく動かされることにより、炎症を起こしてしまいます。

これ以上痛めないように、安静にした上、すみやかに医療機関(整形外科がおすすめ)を受診してください。念のため、他に変形性股関節症などの原因がないか調べてもらいましょう。ただ単に、炎症だけであれば、痛み止め・湿布薬や消炎鎮痛剤などが処方されると思われます。

鼠径部リンパ節炎

太ももの付け根あたりを「押す」と痛みが出る場合は、鼠径部リンパ節の腫れ「鼠径部リンパ節炎」の可能性もあります。一般的には、骨ではなく、肉の部分が痛みます。

血液の成分は、細胞の中を通り、リンパ管を通ってリンパ節を通り、血管に入るのですが、リンパ節では、ウィルスなどの病原体や異物・毒素などを取り除く部分なのですが、風邪やインフルエンザ、けがによる細菌感染などにより、炎症を起こしてしまうことがあります。

何かしらのウィルスや細菌に感染した疑いがあれば、この鼠径部リンパ節炎かもしれません。

大腿骨骨頭すべり症

・特徴10歳以上の男の子に多く見られる病気です。
足の付け根(股関節)が痛むのが症状です。
内側にひねると痛むので、足を外側に回しながら歩いたり、足を引きずったりします。急性と慢性があり、急性は急激に痛みますが、慢性は徐々に進行するので、痛みを感じない時もあります。

・原因大腿骨頭の上の部分が、後ろにずれてしまうことで起こります。
肥満傾向、体の大きな子供が発症しやすいと言われています。

・対処法…基本的には手術が必要です。
まずは、X線、MRIなどで画像診断を行い、手術の方法を決めます。ずれを戻して固定したり、場合によっては骨を切ってからずれを戻すこともあるようです。

ペルテス病

・特徴5歳前後の、元気な小柄な男の子に多く見られる病気です。
足の付け根、太もも、膝などが痛むのが症状です。しかし、痛みをほとんど訴えない場合もあり、特に幼児のころは足をひきずるだけで、痛みを訴えないこともあります。

・原因…根本的な原因は分かっていませんが、大腿骨頭の骨端部分への血流が滞って弱い状態となり、つぶれて変形を起こすことで起こります。骨端部分が壊死してしまいます。

・対処法…まずは、X線、MRIなどで画像診断を行い、治療方法を決めます。
装具(手足の障害、怪我がある時に補助する道具)を用いて手術をしない方法が主流になり、肢体不自由児施設などで治療を行います。
場合によっては、手術も行います。日本では装具を用いる方法が多く、欧米では手術が多いそうです。

子供の【足首】が痛い時の原因と病気は何がある・対処法は?

アレルギー性紫斑病(しはんびょう)

・特徴3~10歳に多く見られる病気で、男児がやや多い傾向にあります。

足首の痛みをはじめ、紫斑(出血斑)、むくみ、腹痛、関節痛などの症状があります。秋から初夏にかけて発症が見られ、夏には少ない傾向にあります。

・原因…はっきりとした原因は分かっていません。
体を守る免疫システム異常の一つで、IgAという種類の抗体と関連があると考えられています。発症前に溶連菌感染症、マイコプラズマ肺炎、風邪など感染症に罹患していることが多く、これらが関係していると考えられています。

・対処法安静にする必要があり、腹痛が強い場合には入院での治療が必要になります。
最初に発症した感染症の治療も行います。場合によっては、点滴、ステロイド注射などの治療も行います。

子供の【膝】が痛い時の原因と病気は何がある・対処法は?

骨肉腫(こつにくしゅ)

・特徴10歳代に主に見られる病気で、年間約200人が発症していると言われています。

骨にできる腫瘍のことで、膝や股関節などの骨に発生します。骨のガンとも呼ばれることもあります。痛みや腫れを伴い、足を引きずって歩くようになります。

・原因…発生原因は明らかにされていません。
遺伝子の異常や放射線治療後の二次的な要因も考えられています。

・対処法…血液検査、MRIなどの画像診断、腫瘍組織の生体検査などを行い、様々な検査を基に診断が下されます。
治療方法は、抗がん剤投与による化学療法、摘出手術による治療を行います。腫瘍摘出を行うと共に、手足を残すことを目的とした、人工骨(関節)置換術が行われることが一般的です。

オスグッド・シュラッター病

・特徴10~15歳くらいの、成長期にスポーツをしている子供に見られる病気です。
膝のお皿の下の骨が出てきて、痛みます。熱を持ったり、赤く腫れたりもします。

・原因
…太ももの筋肉の腱とつながっている膝から下の骨が、腱が引っ張ることにより、剥離してしまうことによって起こります。
ボールを蹴る、飛び跳ねるといった運動をする子供によく見られます。成長期に起こりやすい病気ですが、成長痛とは違い、骨の病気になります。

・対処法…成長期にある一過性の病気なので、成長と共に良くなります。
痛みがある間は、運動を控えます。ストレッチや、アイシングなどの治療を行います。


子供が足を痛がった時は、まず整形外科で診察してもらい、原因と治療方法を教えてもらいましょう。自己判断で痛い患部をマッサージなど、間違った対処法をすると、かえって痛くなる可能性がありますので気をつけましょう。

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監修|りふれ整体院 整体師 清水
人体の仕組みや健康系の多くの知識と経験を積み、10年以上前に開業。施術の傍ら行っている子育ての経験も生かし、執筆・監修を行っています。
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