みなさんのご自宅はピカピカすぎませんか?しっかり石鹸で手を洗いアルコール消毒していませんか?汚れたり疲れるからと言ってお外遊びを避けていませんか?
実はそういったキレイすぎる環境は、子供にとってあまりよくないのです。
子供にとっては【キレイすぎる・徹底的に除菌】する環境が、免疫力を低下させ、アレルギーや喘息、皮膚炎などの病気になりやすくしてしまう悪影響やリスクをもたらすことがわかってきました。
また、いろいろ不衛生であると気にしてしまうことで、生活に支障が出てしまう場合もあるのです。
現代社会の人間は、さまざまな免疫力低下の危機にさらされています。
免疫力が低下する原因としては、
などがあげられます。
どうしても人間は歳をとっていくものなので高齢化は仕方ないですが、
それ以外は何とかすることが出来ます。
今回はそのうちのひとつ、
「衛生環境が良すぎる(キレイすぎる環境)」
に注目してみましょう。
キレイにしていないと病気になる。これはたしかに正しいです。お腹を壊しやすい人、アレルギーの人、抵抗力の落ちている人は、キレイにしていないと病気になってしまいます。
しかし、子供にとってはキレイすぎる環境は、後々の生活に悪影響をもたらす可能性があります。
小さい頃からずっとキレイで、除菌された「細菌が少ない環境」にいると、免疫力が育たず、
成長して少しでも汚い環境に行った時に、病気になったり、お腹を壊したり、アレルギーになってしてしまうことが多いのです。
子供は、少し大きくなると、人が多くいる、細菌が多い場所へ行くようになります。
たとえば、
などです。
幼稚園や保育園・小学校に入学すると、お友達と接触します。
飲食店・スーパーやデパート・公共施設などでは様々な人や細菌であふれかえっています。
こういったところへ、免疫が不十分な状態で出かけると、病気になりやすいのです。
人間の生活環境の中には様々なウィルス・細菌が住んでいます。
それに抵抗できるだけの免疫力を持っていなければ、打ち勝つことが出来ないのです。
特に日本は、キレイすぎるため、日本で育った人が海外に行くとお腹を壊しやすかったり、病気になりやすいのです。
子供の頃は、免疫力がしっかりついていく時期であり、
キレイすぎない適度に汚い環境で育った場合は、きちんと免疫細胞が育ちます。
免疫細胞が育つというのは、ただ単に免疫細胞が増えるわけではなく、
免疫細胞が、多過ぎず少なすぎずの適度な量に調整されます。
そして、その免疫細胞は「外敵は外敵として排除、体に有益・無害なものは攻撃しない」正しい働きをするようになるのです。
免疫が正しい働きをしないと、アレルギーや様々な病気を引き起こしてしまいます。
アレルギーの一種である「花粉症」は、本来、体にとって無害な花粉を有害認定してしまうことが原因です。
免疫が間違えて、無害な花粉に対して、体が過剰な防衛反応(かゆみ・涙・せき・くしゃみ・はれなど)を起こしてしまうのです。
お母さんの子宮の中で赤ちゃんは、卵膜(羊膜・卵のカラのようなもの)と羊水によりほぼ無菌状態で発育します。
しかし、卵膜が破れ【破水】をした時点で、子宮や産道を通る間、そして生まれた後にも
外界の様々な細菌を浴びたり、口の中に取り入れることで、皮膚や体内の免疫を獲得していきます。
★子供は、小さい頃にどれだけ細菌と接触するかにより、成長してからのアレルギーや喘息、腹痛などの病気のなりにくさに関わってきます。
ある程度・適度に汚い環境がおすすめとお話してきましたが、どれくらいがよいのでしょうか?
現代の日本の家庭は、小さい頃から十分すぎるほど衛生的な生活を送っていることが多いです。
★食卓や食器などを徹底的に除菌することは避けましょう
キレイすぎると、あまり免疫力が育たなくなってしまいますよ。
★手を洗ったらアルコール除菌をしようね!
病気にならないようにと、アルコール除菌を徹底してしまうお気持ちはわかります。
もちろん、旅行の日が迫っていたり、遠足や運動会、発表会など大事な行事の直前では、
病気にならないように気を付けることは良いことです。
ただ、何もないふつうの時であれば、何から何までアルコール除菌することはあまりおすすめできません。
細菌をことごとく死滅させてしまい、細菌と触れ合う機会が減ってしまいます。
幼稚園や保育園・保育所・公共施設などではよく行われていたり、指導されてますが、
不特定多数の人がいるわけであり、何かあってからでは責任が取れないので徹底して行われています。
ご自宅でしたら、それほど重大な病原菌の感染リスクは低いので、
アルコール除菌も必要最低限にした方が良いかもしれません。
★汚れたり、面倒なのであまりお外遊びをしない
外で遊ぶことは、体を鍛える事にもなりますし、細菌を体に取り込む絶好のチャンスなのです!
お砂場での砂遊びや、泥んこ遊び、木登りなどはとてもおすすめです。
子供が小さいうちは牧場や動物園へ連れていくと良い!という話もよく見聞きします。
牧場や動物園は自然豊かなことが多く、動物のフンや皮膚・分泌物などにより細菌・微生物がたくさんいるからといわれています。
結果、免疫力が強くなるというわけなのです。
ある程度汚くしていても、子供にとっては良いのですが、
気を付けなければいけない時と場合もあります。
たとえば、
★虫歯菌や白癬菌(水虫菌)のように、免疫を獲得できるわけではない細菌や、
★障害が残る可能性や命に関わる可能性が高い病原菌が流行してしまった場合
などには、しっかりと衛生面にも気を付け、守っていく必要があります。
・虫歯菌については、親や親族・お友達などと、キスや食器・ジュースや食べ物などを介して
虫歯菌を保有している人の口から口へ感染することがわかっています。
口内の細菌バランスが整う3歳位までは、できる限り虫歯菌を入れないように心がけると、
将来虫歯になりにくくなることが、研究結果で判明しています。
(もちろん3歳以降も気を付けた方が虫歯になりにくくなります。)
★赤ちゃんを祖父母(義母実母)や親戚に預ける際の持ち物や注意事項
・白癬菌(水虫菌)は、一緒に生活をしている人からうつったり、
銭湯やプールなど不特定多数が利用する場所にてうつることが多いです。
感染すると、免疫がついて今後なりにくくなるということはありません。
しかも、一度感染してしまうと、なかなか治りにくいので注意が必要です。
・障害が残る可能性が高い病原菌・命に関わる可能性が高い病原菌については、
手遅れにならないようにするためにも予防する必要があります。
これらにあてはまらない、普通の菌でしたら、逆にしっかりさらされたほうが、体が免疫力を獲得できて
病気やアレルギーになりにくくなるのです。
徹底してキレイにし過ぎると、子供の免疫力がうまく育たないことに加えて、お子さんが潔癖症になってしまう可能性もあります。
他人がさわる様々なものが気になるようになってしまい、例えば、エレベーターのボタンをそのまま押せない、エスカレータや階段の手すりをさわれない、
電車のつり革を持てない。スーパーでの食品購入時や、飲食店で外食する際に食器の汚れが気になるといったことが起きてしまうのです。
他の人に見られなければ良いですが、あまり気にしていると人間関係すら悪化しかねません。
友人とのやり取りや、夫婦生活がうまくいかなかったり、親子でさえうまくいかなくなってしまうこともあります。
大事な予定があったり、命に関わる病気の流行ではない限り、
ちなみに、子供が大きく成長してからでは、ペットを飼うのは逆にアレルギーを引き起す可能性もあるので注意して下さい。
これらのことについて、気を付けていくことで、
免疫力を高め、アレルギーや病気になりにくい強い体にしていくことができます。
何かしらの子育ての参考になれば幸いです。