ヒルドイド(ゲル・ソフト軟膏・クリーム・ローション)は顔の赤みやシミ、シワ・にきびに効果があると話題になりましたが、本当に美容効果があるのか?副作用とともにご紹介します。
ヒルドイドは1954年から発売されている、長く使用されている医薬品になります。マルホという「皮膚科学領域」に強みを持つ会社が製造・販売を行っています。
ヒルドイド〇〇〇〇0.3%とあるように、「ヘパリン類似物質」という成分を0.3%だけ含んでいます。
その他は、油分や水分などでできています。(簡単に言うと、ヒルドイドが1000gあったら、3g分だけ含んでいることになります。)
ヘパリン類似物質とは、人間の体で作られる保湿成分の一種「ヘパリン」と似ている物質です。
として、皮膚科やアレルギー科を中心に処方されてきました。
乾燥肌の方に、保湿剤として処方されることが多い医薬品なのです。
最近、シミ・シワ・そばかす対策や、化粧水代わりの美容目的として医師に処方してもらう方が急増しており問題となっています。医師による正しい診断をしてもらった上で、正しい使い方を守らないとニキビができたり炎症が起こってしまうと言った副作用が出てしまったり、逆効果になる場合もあります。(副作用については後述します。)
医師に処方されるヒルドイドには、現在4種類のタイプがあります。
★ヒルドイドソフト軟膏0.3%・・・油分が多く、若干べたつきがあるが保湿効果が高い。
★ヒルドイドクリーム0.3%・・・ソフトより油分が少ない。しっとりしている。
★ヒルドイドローション0.3%・・・油分がかなり少な目で、水分が多め。さらっとしていてべたつかない。
これらの4種類は、薬効成分の「ヘパリン類似物質」以外の、材料(添加物成分)の違いにより、★塗り心地と★効果効能が違います。
先ほど4種類ご紹介しましたが、効果効能で分類すると以下の2分類にわかれます。
【ヒルドイドソフト軟膏、ヒルドイドクリーム、ヒルドイドローション】
★皮膚の保湿
★血行促進
★炎症を抑える
ゲルに加えて、下記2点の効能があります。
★痔核つまり、おしりの「ぢ」の炎症にも使用できること
★皮脂の分泌が少ない皮脂欠乏症
ゲルは、油分を含んでいないため、皮脂欠乏症には効果がないのと、患部を保護する効果が薄いために「ぢ」への効果効能が薄いわけなのです。
ヒルドイドソフト軟膏、ヒルドイドクリーム、ヒルドイドローションの効果効能は、共通で
血栓性静脈炎(痔核を含む)、
血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結並びに疼痛)、
凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、進行性指掌角皮症、
皮脂欠乏症、
外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘
炎・筋肉痛・関節炎、筋性斜頸(乳児期)
(製造元の)マルホの添付文書より
となっています。ただ、次で解説するとおり、ヒルドイドゲルだけは効果効能が違います。
前のソフト軟膏・クリーム・ローションと比較してみて下さい。
ヒルドイドゲルの効果効能はこちらです。(原文は順序がバラバラなので、並び替えました。)
血栓性静脈炎、
血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結並びに疼痛)、
凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、進行性指掌角皮症、
外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘
炎・筋肉痛・関節炎、筋性斜頸(乳児期)
(製造元の)マルホの添付文書より
となっています。
シミ・しわ・そばかすなどへの美容効果はあるのか、効果ないのかですが・・・
★結論から申しますと、皮脂の分泌が少ない乾燥肌の方には、ヒルドイド単体でのシミ・シワ・そばかすなどの美容効果は少しだけあるようです。お肌の外からのダメージを防ぎ、みずみずしい状態を保ち、血行を促進するためです。
★ただ、皮脂の分泌が正常な方は、ヒルドイドを塗ることでかえって毛穴をふさいでしまい、ニキビや肌荒れ等の副作用が出るなど逆効果の可能性もあります。(副作用については次の項目にて解説)
★自分のお肌の状態に合った美容目的の美容液・美容クリーム・乳液・化粧水・のほうが効果が高いといえます。保湿効果・血行促進効果に加え、お肌に良い成分を含んでいることが多いです。これらは、お肌の外から働きかけるのですが、飲み薬もおすすめです。
例えば、
★お肌の美容目的の内服薬・飲み薬は最低2か月は続けてみる必要があります。
(ただし、目に見えた効果が表れてくるのは、お肌のターンオーバー(生まれ変わりサイクル)ぶんの時間が経過してからになります。お肌の部位や、個人差により1か月~2か月かかります。)
★ヒルドイドは外からうるおいを補い、即効性があるように感じるので、下手な美容液よりいい!とインターネットで拡散してしまったと考えられています。万人に効果があるのではなく、医師から必要と判断され、処方された場合のみ効果がある訳なのです。
ヒルドイドの副作用は少なめといえます。ただし、ヒルドイドの種類によっては若干、副作用があります。
副作用は、ヒルロイドの種類にもよりますが、
件数がそれほど多くないので、たまたま副作用が出なかった可能性もあります。若干の肌トラブルはある可能性もあります。
しかし、
とのこと。
製薬会社マルホによると、159例中、皮膚への投与により、刺激感 1(0.63%)があったとのことです。ピリピリと刺激を感じた程度のようであり、深刻なものではないようですね。
参考:マルホ・ヒルロイド副作用抜粋(ヒルドイドゲル0.3%)
製薬会社マルホによると、総投与症例2471例中、23例(0.93%)に副作用が認められました。
効能追加時点にて、
皮膚炎 9(0.36)、そう痒 8(0.32)、発赤 5(0.20)
発疹・丘疹・皮疹 4(0.16)、潮紅 3(0.12)
湿疹 2(0.08)、刺激感 2(0.08)、紅斑 1(0.04)
分泌物増加 1(0.04)、熱感 1(0.04)
マルホ・ヒルロイド副作用抜粋(クリーム・ソフト軟膏・ローション0.3%)
となっています。
炎症が起きたり、かゆみが出たり、赤くなったり、発疹が出たり、熱く感じたりしたようです。この副作用の中には、ニキビも含まれると思われます。クリーム使用時は、若干注意が必要ですね。
皮膚の状態などをしっかり医師に診てもらい、適切な処方・指導をしていただきましょう。