子供にスマホを持たせるべきか、我慢させるべきか、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
子供はスマホを持ちたい!だって、友達が持っているから!
でも親としては早いのではないか?
トラブルに合わないか心配…
実際のところ、子供にスマホを持たせているか?
また、子供のスマホを持たせたときのリスクは何か?
対処法はあるのか?調べてみました。
子供からは、「学校の友人はみんな持っているよ。」の言葉とともに、猛烈アプローチ。
言いなりになるのも気が進まないものですが、我慢させるのもまた、世の中の動きから子供を遠ざけるようで、何ともいえない不安感に駆られるものです。
実際、高校生にもなると、大半の子供がスマホを持っているのが実態ではないでしょうか。
少年教育振興機構による、青少年の体験活動等に関する実態調査報告書(2016年5月2日発表)によりますと、
スマホだけでなく、従来型の携帯電話(ガラケー)を所持しているのは、
2014年度現在
小学1年生:15.5%(スマホは1.4%)
小学2年生:20.1%(スマホは1.4%)
小学3年生:27.1%(スマホは2.8%)
小学4年生:30.5%(スマホは3.5%)
小学5年生:30.8%(スマホは6.6%)
小学6年生:33.7%(スマホは12.9%)
中学2年生:53.9%(スマホは41.4%)
高校2年生:95.5%(スマホは87.9%)
ご覧の通り、2014年度のデーターとはいえ、携帯電話・スマホはかなりの普及率ですよね。
2017年度ともなれば、結構普及が進んでいるので、1.2倍~2倍位にはなっているのではないでしょうか
ただ、気になったのは、小学生では携帯電話を持たせはしているけれども、スマホはあまり持たせていないという点。
連絡・防犯用には持たせているが、悪影響を考えて持たせないという家庭が多いのかもしれませんね。
では、親は進んで子供に持たせているのでしょうか?きっと違いますよね。
防犯のため、クラスや部活の連絡網として、LINEなどのチャットアプリの利用が事実上必要不可欠で、そのためにやむなく購入した方が多いのではないでしょうか。
確かに、スマホは便利な側面をたくさん持っています。
隙間時間を使って、息抜きやちょっとした勉強などもできるようになりましたし、とにかく連絡は取りやすくなりました。
帰宅遅くなっても気軽に連絡を取り合える点は持たせる利点としては大きいと思います。
子供にスマホを持たせることで、心配な点・リスクとしてはどのようなことが挙げられるのでしょうか?
人によって気になる観点が違うようですが、大きく3つのパターンがあるように感じました。
●1つは、チャットやゲームに長時間夢中になってしまうことにより、睡眠不足・学業不振などを引き起こし、常にスマホを触り続ける状態の「スマホ依存症」といえる状況です。
友人との会話がチャットだけになるケースもあり、コミュニケーション能力の低下を懸念している声もありました。
ゲームにはまることで怖いことは「課金」
より強い武器を求め、次々と課金してしまい、驚く金額を請求されてしまうことも問題になっています。
●2つめは、SNSや位置情報などに起因した、個人情報の漏えいや犯罪に巻き込まれるリスク拡大があります。
SNSを使えば、日本全国、世界中の人とコミュニケーションを取ることができます。
しかし、相手の素性ははかり知ることはできず、警戒心のない子供は個人情報を簡単に渡したり、実際に会ったりして犯罪に巻き込まれるケースも社会問題となっています。
SNSを使い、援助交際をすることも簡単にできてしまいます。
友人同士でも、メールなどで気軽にコミュニケーションを取れることでネット上のイジメ(悪口、仲間外れなど)も簡単に起きてしまいます。
「既読無視した」と言われるから、無理にでも返信しなくてはならない強迫観念もあり、常にスマホを手放せなくなり、スマホ依存症に発展してしまうケースも起こってしまいます。
●3つめは、ブルーライトを中心とした、目や脳など体への悪影響に対する不安です。
ブルーライトは刺激を強く、白内障など「目への負担」と、脳にまで光が届くために常に興奮状態になってしまう「脳への負担」があります。
幼いうちからスマホやゲームを1日中する生活を送っていることで、「小学生で白内障になった」というケースも実際にあるようです。
「脳への負担」は、「寝る前にちょっとスマホでニュースを見よう」とついつい習慣にしてしまうと、脳が刺激されて眠ることができなくなり、不眠症になってしまいます。
眠れたとしても、脳は興奮した状態なので、しっかり眠ることができず、1日の疲れが取れない、ストレスがたまるなど、起床後も疲労感に襲われることになります。
目と脳への負担で「頭痛」に悩まされている人も増えてきているのではないでしょうか。
風邪など病気ではない、日常的に襲われる「片頭痛」もスマホが原因の1つでもあります。
以上3点が、いずれも見逃すことのできないリスクです。
では、3つの心配点、リスクに対して、どのような対策を取ればよいのでしょうか?
それぞれに心配な点、3つのリスクに対する対策も、各ご家庭で工夫をされているようです。
例えば、「夜10時以降は、スマホを使わない。部屋にも持ち込まない。」というルールを作って、スマホ依存症を防いでいるそうです。
SNSなどの使い方に起因するリスクへの対応は、正しい知識を教えることが大切です。
まず、ネットの情報は正しいものばかりではない、という大前提を理解するところから始まります。
自分や友人はもちろん、個人を特定する情報や画像は、SNSなどには載せないことや、画像に写った風景からでも住所や個人を特定できるといったことも、知らせておく必要があります。
また、匿名であっても責任はあるため、他人を誹謗中傷することは犯罪です。
知らない相手やメール・リクエストには注意が必要であることも認識させましょう。
あのスティーブ・ジョブズ氏が、自身の子供にはiPadを与えず、ハイテク機器の利用をかなり厳しく制限していたという話はあまりにも有名です。
ジョブズは自分の子供にはパソコンやスマホなどは平日は使わせず、週末の数分だけ使用を許可したそうです。
それはなぜでしょうか?
理由としては、10歳以下は依存症になりやすいリスクを知っていたからだそうです。
iphoneを作った人は、怖さも知っているがゆえに子供には注意させていたということですね。
とある自治体で子供のスマホ依存に警鐘を鳴らし、ルールを設けることで依存化させない取組が行われました。
愛知県刈谷市で行われたルールで「刈谷ルール」とも言われています。
それは、「21時以降はスマホは触らない」というルールです。
このルールは子供が守ること自体難しいのでは、と言われていましたが、実際に取り組んでみると「勉強に集中できるようになった」「生活のリズムが乱れなくなった」「LINEに縛られなくなった」と子供たちから絶賛の声が上がりました。
このルールを取り組むにあたって大事なことは「家族みんなで話し合い、取り組むこと」
子供一人、親だけではルールを守ることは難しくなります。
家族みんなでルールを守ることが大切です。
ルールが作られた背景には、生活習慣の乱れ、LINEイジメ、学力低下が問題視され、刈谷市のとある中学校の校長先生や、PTAなどが試行錯誤しながら作られたようです。
この「刈谷ルール」は刈谷市だけではなく、全国まで広がり、実践する学校も増えてきているようです。
皆さんの家庭でも、ルールを決めてスマホを有効に使えるようにしましょう。