0歳児、1歳児~6歳児の乳幼児が物を噛む、友達を噛むなど、子どもの噛み癖・噛みつきの原因と対処法についてご紹介します。
子供の噛みつき行為は、0歳~3歳ごろまで見られますが、小学校入学までには、ほとんど見られなくなります。
0歳~3歳の中でも特に多いのが1歳~2歳ごろ、保育園で言えば1歳児クラスの子供たちです。
言葉が出始め、歩いたり走ったりと活動も活発になる頃です。
お友達と遊ぶことも増えてきますが、その分トラブルも増えてきます。
そのトラブルの中でも多いのが、噛みつきです。
乳児期で歯が生えてくる生後6か月ごろから、物を噛む行為が見られます。
ただ、これは歯が生えてきたことで、歯茎がムズムズすることが原因です。
噛んだ感触が心地良くて行うので、いわゆる「噛みつき行為」とは違うと考えてよいでしょう。
1歳~2歳ごろは口の方が、手よりも発達しています。
これは人間の発達のメカニズムが上から下へと発達していくことに関係しています。
意識的に噛むのではなく、思わず、とっさに噛んでしまうのです。
言葉が会話になり始める1歳~3歳ごろは、合わせて自我も芽生えてくる時期です。
大人が思うよりも、この頃の子供は思うように話せずにもどかしさを感じています。
・そのおもちゃは、僕が遊んでいたのに!
(怒り、焦り…僕が遊んでいたと上手く言えない)
・その絵本、私も読んでみたいなぁ…
(欲、もどかしさ…貸して、読んでみたいと上手く言えない)
いずれの時も、感情を上手く言葉にできない、感情をコントロールできない、感情の意味が分からないなどの理由で、噛みついてしまうのです。
お友達やきょうだいだけでなく、親に対しても噛みつくことがあります。
・まだまだ甘えたいのに、甘えることができなくて噛みつく
きょうだいが生まれた時などは、特に甘えたい気持ちが強くなり、噛みついてしまうことがあります。
子供同士、けんかになることもあります。
叩いたり、時には蹴ったりもします。
その時の行動の一つ(攻撃の方法)として、噛みつくことがあります。
けんかの場合、3歳以降でもとっさに噛みついてしまうことがあるようです。
噛まれた子供の方が痛い思いをしますが、噛んだ子供も、泣いたり叫んだりする様子を見て心が痛んでいます。
親や大人としては感情的に怒ることは避けましょう。
噛んだ子供も怒られて怖い思いをするだけです。
「怒る」ということは、親や大人が感情に任せているだけで、何の解決にもなりません。
親や大人は噛んだ理由、状況などを冷静に見て判断しましょう。
以上の3つのことを、できる限り優しく聞いて教えてあげましょう。
泣いている場合は、泣き止んでからでも大丈夫です。
無理に泣き止ませなくても、落ち着くまで待つ余裕を持ちましょう。
その後に、噛むことがいけないことを教えましょう。
理解力はまだ低いので、短い言葉で簡潔に伝えることも忘れないようにしましょう。
噛まれた子供は痛い思い、怖い思いをしています。
すぐに冷やして対処したいところですが、まずは痛い思いをしたことを受け止めてあげましょう。
言葉を掛けて、優しく抱きしめてあげましょう。
その後に噛まれた場所を冷やします。
まずは流水で噛まれた場所を冷やします。
内出血している場合もありますので無理にもんだりするのはやめましょう。
その後は冷却シートなどで冷やしてあげましょう。
四六時中子供の様子を見ることはできませんが、お友達と遊んでいる時、お友達と一緒にいる時などは目を離さないようにしましょう。
子供の様子をしっかりと見ていると、色んなことが分かってきます。
・どのお友達と相性が良いのか、悪いのか
・どの子供が噛むのか(噛まれる子供の方の場合)
ほとんどの場合、噛む時には理由があります。
親や大人はその理由を把握するように努め、未然に防ぐことができるようにしたいものです。
甘えることができず、愛情不足で噛んでいる場合は、きょうだいが生まれたことなどで判断できます。
そういう時は、しっかりと愛情を伝える、愛情を与える時間を作りましょう。
特に、母親に愛情を求めることが多いので、家族の力を借りて、2人だけの時間を作りましょう。
たっぷりと愛情をもらうことで、噛む行為は少しずつ落ち着いていくはずです。
噛んだ子供は、親や大人に注意、説明されても一度で噛むことを止めるわけではありません。
まだまだ理解力も低いので、理解するまで何度も伝えることが必要です。
「何度も何度も噛んで、ダメだよ!!」
などと怒らないようにしましょう。
子供は噛んだ後に「しまった!」と思っています。
その気持ちが成熟してくると、必ず噛むことを止めます。
その時まで、愛情を持って伝え続けましょう。