子供の記憶障害の種類や原因症状や病院での診断、治療方法、受診する診療科はどこなのか、詳しくご紹介します。
記憶障害という言葉は、実は主に老人性の認知症で使われるのですが、
記憶をすることに関して【難しい、できない】と感じている子供も多くいます。
その場合、子供の記憶障害もあるとも言えます。
例えば、
・毎日会う友達や担任の先生の名前を覚えられない
・友達との約束を忘れる
・何度も同じことを聞いてしまう
・話を都合よく解釈して、作り話をする
症状として、これらのことが見られますが、学校や家庭での勉強、生活が難しそうです。
学習障害とは、
知能発達に大きな遅れはないが、学習に必要な能力を習得することや、発揮することが難しく、学習が困難な状態のことを言います。
この学習障害は、発達障害の一つになります。
これらのことが難しい、できないといった症状が見られます。
【記憶力が無い記憶障害】と【学習障害(LD)】は別物として考える必要があります。
子供の記憶障害には、
があります。
病気や事故などで脳が損傷を受けたことによる後遺症のことを、高次脳機能障害と言います。
記憶をはじめ、注意、思考、行為などに障害が起きます。
これらにより、脳挫傷などの頭部外傷や、急性脳症などを発症することが原因となります。
適切な治療やリハビリが必要になります。
生まれつきの脳機能の障害が原因で起こる、発達障害の一つである自閉症スペクトラムの子供でも、
記憶障害が見られることがあります。
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記憶力と知能指数には相互関係があり、知能指数が低いと記憶力も低い傾向にあります。
カナー症候群(カナー型自閉症)と呼ばれる、知的障害を併せ持つ場合は、
記憶障害が起こりやすいです。
人間は、頭の中で情報を認識して、処理する作業を行うことにより、
情報を処理して、頭の中に記憶していきます。
その作業を行う能力を【ワーキングメモリ】といいます。
自閉症スペクトラムの子供は、このワーキングメモリの容量が少なく、情報処理が難しい傾向にあります。
当然、頭の中に記憶として残りません。
例えば、頭の中のメモ帳が、上手く活用できていない状態です。
ワーキングメモリは様々な学習や訓練で、ある程度は伸ばすことができるようです。
自閉症スペクトラムの子供は、一般的にコミュニケーション力が不足しています。
そのために、記憶として残っているけど、記憶を引き出して上手く伝えることができないことがよくあります。
その場合、周りの人たちは記憶力が悪いと感じてしまいます。
この症状はコミュニケーションの取り方で改善される可能性があります。
普通に生活をしていても、実は視力や聴力が悪い可能性があります。
子供は、視力や聴力の基準が分からないからです。
あまり見えていない・聞こえていない場合でも、生まれつきであれば、
それがその子供にとっては「当たり前」の視力や聴力となります。
これらの視力障害・聴力障害により、
ため、記憶として残りづらくなります。
見落とされがちの【記憶障害の原因」と言えるでしょう。
学習障害(LD)は記憶障害ではないとお話ししましたが、
学習障害の症状により、記憶することが難しいことはあります。
・書くことが難しい (書き写すことができない。自分で書いた文字が読めない)
・数がよく分からない (繰り上がりの計算や文章問題が解けない)
このことにより、記憶として残ることが難しくなります。
このような学習障害が原因になって記憶障害を引き起こす場合もあるわけなのです。
学習障害は訓練によって改善する可能性があり、
記憶力の強化につながることも十分に期待できるでしょう。
各都道府県や各地方により、高次脳機能障害の相談機関があります。
などが、各都道府県や各地方にあり、病院が請け負っている場合もあります。
まずは相談して、受診や支援につなげていきましょう。
病院を受診する前に、各都道府県の発達障害者支援センターに相談すると良いでしょう。
その中で、病院受診や療育につなげることになります。
また、市町村の保健福祉センター、子育て支援センター、児童相談所などにも相談ができるので、活用しましょう。
乳幼児期は、まだコミュニケーション力が低いために、
視力、聴力の異常発見が難しい傾向があります。
生後6カ月頃から聴力検査、3歳児健診で視力検査ができます。
どうも、視覚や聴覚による反応が遅い・・・
テレビや本などを近くで見ている
といった、気になる点がある時は早めに検査を受けましょう。
遅くとも、就学前には視力・聴力検査があるので、
異常の疑いがあるときは早めに眼科、耳鼻科を受診しましょう。