不妊症とは一体どんな症状・状態のことなのか、不妊検査の「フーナーテスト(ヒューナーテスト・性交後試験)」や「子宮卵管造影検査」とはどのようなものなのか、不妊治療の「タイミング法、人工授精や体外受精や顕微授精」などの内容や違い・メリットデメリットなどをご紹介します。

不妊症とは?

医学的な不妊症の定義とは、
妊娠を望んでいるカップルが、2年以上夫婦生活をしても妊娠しない状態
です。

不妊症の原因としては、およそ半分が女性が、残りの半分が男性側にあることがわかっています。

自分が原因ではないと、片方だけで受診する方もいますが、それでは十分な不妊治療効果が得られなくなってしまいますので、男女2人も受診するのが理想です。

妊娠自体、授かり物といわれるように、奇跡的なことでもあります。
男女ともに体調も良く、タイミングや条件があわないと授かるのは難しいのです。

不妊症は、赤ちゃんを望むどのカップルにも起こりうるものですので、
不妊症の可能性があるようでしたら、早めに産婦人科などの専門医を受診することをおススメします。

・月日・年齢が経てばたつほど妊娠可能性が下がる
・病状も、時間が経てばたつほど悪化する

という理由から、不妊症治療は早ければ早いほど妊娠可能性が高まります

不妊症・不妊症予備軍の可能性が高いかどうかを見分ける項目をご紹介します。

不妊症・不妊症予備軍の可能性チェック

女性妊婦妊娠イラスト

<女性のみ>
★生理不順で月経が大幅に遅れることがある。
★生理不順で月経がない月がある。
★月経痛が、強すぎる。
★過去に子宮・卵巣に何か異常があった。


<男性のみ>
★過去に精巣・精管・前立腺等に何か異常があった
★脊髄に異常がみられる
★糖尿病である
★赤ちゃんを望まれるあまり、行為自体が辛くなっている
★行為中に、太ももの上の、そけい部あたりが痛む


<男女共通>
★行為中に下腹部が痛い
★運動不足
★睡眠時間が少ない。
★冷え性
★年齢が35歳以上
★飲酒はほぼ毎日
★喫煙をしている。
★極端なダイエットをしたことがある。
★太り気味である。
★痩せ気味である。
★ストレスを多く感じる
★性感染症になったことがある。

不妊検査(フーナーテスト・子宮卵管造影検査)とは?

不妊検査としては、フーナーテスト(ヒューナーテスト・性交後試験)・子宮卵管造影検査が一般的です。

不妊検査(フーナーテスト)の詳細と判断基準

この不妊検査(フーナーテスト)は不妊治療の初期段階で行われます。

★不妊検査(フーナーテスト)は、妊娠に適した状態(粘液が、精子が子宮へ行くのに最適な状態になっている)の「排卵直前」に行う場合が多いです。

1日以上過ぎると、精子が死滅していたり、外に排出されてしまうため、12時間以内に行います。

★不妊検査(フーナーテスト)は、12時間以内行うため、前日夜または、当日の朝に「性交」をして検査をします。

前日夜の場合は、翌日の午前中、検査当日の朝なら、その日の午後までに検査を受けるのがベストタイミングです。

性交後、「膣の一番奥、子宮の入り口の頸管粘液を採取」します。

顕微鏡にて拡大して観察します。運動率の良い精子がどれくらいいるのかを調べる検査です。

★動きの良い、元気な精子の数で判断

フーナーテストでの一般的な判断基準としては、
● 優:元気な精子15個以上(妊娠できる確率が高い)
● 良:元気な精子10~14個(妊娠できる可能性は十分)
● 可:元気な精子5~9個(妊娠できる可能性はある)
● 不良:4個以下(妊娠できる可能性は低い)

ただ、最近はこれだけたくさんの元気な精子が無くても大丈夫という考えも出て来ており、
この基準が変更になるかもしれません。

元気な精子が少ない原因は?
抗精子抗体・・・精子を外的とみなし攻撃・排除する働きをする抗体

です。

抗体があると、精子が子宮にはいることができなくなります。
受精が難しいため、体外受精も考慮する必要があります。

治療にもなる!不妊検査(子宮卵管造影検査)の詳細と判断基準

子宮・卵管が詰まっているかどうかの検査が「子宮卵管造影検査」です。

・子宮・卵管が詰まっている・・・卵子・精子の通り道が詰まっていては妊娠することが出来ません。

子宮や卵管に腫瘍があったり、癒着(くっついてしまう)、
形が悪い
といった何かしらの理由で詰まってしまうことがあります。

造影剤を子宮・卵管に注入して、レントゲンを撮影して診断します。

実は、この「子宮卵管造影検査」、検査だけでなく、治療にもなるのです。

通りの悪い部分に造影剤を押し込んでいくため、通り道が狭かったり、軽く詰まっている場合などには、
しっかりと通り道が復活する場合もあるのです。

そういった理由で、この子宮卵管造影検査を行った後の直後の3ヶ月が妊娠確率が特に高くなります。
行ってから6か月間くらいは妊娠しやすい時期が続くとのこと。

この検査、痛みがあるようで、人により痛みの感じ方は違います。

生理痛程度という人もいれば、かなり痛いという人もいます。
子宮・卵管の通りが悪い場合に強い痛みを感じることが多いようです。

簡単にでき一番初めに行われる不妊対策~タイミング法(禁欲し、基礎体温をつけ妊娠しやすい時期を狙い性交を行う)

受精日とは?排卵日や性交日や着床日(受胎日)と同じ?違いを解説!

検査を行った後、特に異常が認められなかった場合に一番初めに行われることが多いのが、このタイミング法です。

産婦人科で不妊治療を受けている場合は、後述する「排卵誘発剤」を使用することが多いです。

最も妊娠しやすい性交のタイミングは「排卵の2日前」になります。

精子・卵子の寿命と、排出されてからたどり着くまでの時間が計算された結果が、
この排卵の2日前なのです。

★女性側は排卵日・生理日を予測するため、しっかり毎日基礎体温をつけます。
★男性側も、この日が近づく頃には、精子を排出しないよう注意します。

そして、妊娠しやすい「排卵2日前」のタイミングを狙って性交を行います。

年齢にもよりますが、タイミングを合わせチャレンジする目安ですが、
20代であれば、排卵が6回(6周期)
30代であれば、排卵が3回(3周期)
程度までチャレンジ

して、妊娠検査を行い、
だめそうであれば、検査や治療などの対策を考えるのが一般的です。

排卵日はこちらのツールで知ることもできます。
安全日(妊娠可能性低い日)・危険日(妊娠可能性の高いチャンスの日)・生理日自動計算ツール~安全日危険日とは?

タイミング法や人工授精時に使用される「排卵誘発剤」

確実に排卵させるため、タイミング法や人工授精時には「排卵誘発剤」がよく使われます。

排卵誘発剤には、経口薬と、注射薬の2種類あり、
卵巣のみに作用し、卵子には影響がないことが確認されており、
奇形児が生まれる確率は高まらないと考えられています。

ただ、薬により母体に若干の副作用があることがわかっているので、必ず医師の指導に従う必要があります。

不妊対策~人工授精・体外受精・顕微授精

タイミング法でもなかなか赤ちゃんが授からない場合、
精子や卵子の状態・原因から
「人工授精・体外受精・顕微授精」が検討されます。

それぞれの違いを解説します。

不妊治療「人工授精・体外受精・顕微授精」卵子と精子。受精卵

人工授精法とは?

タイミング法の次に行われることが多いのが「人工授精法」。

人工授精は、排卵のタイミングに合わせて、子宮口から管を入れ、精液を直接入れる方法です。
AIH(Artificial Insemination of Husband)とも呼ばれます。

名前は人工とついていますが、精子を奥の方ほうへ届けるだけですので、
副作用や赤ちゃんへの影響もあまりなく、自然妊娠にかなり近い方法となります。

体外受精法

人工授精は母体の体内で行われるものですが、
この体外受精はその名の通り、母体の体外で受精させる方法です。

卵子と精子を採取し、体外にて自然に受精させる方法です。

卵子にのまわりに精子をふりかけて自力で受精するのを待つ方法です。

受精した受精卵が分裂し、胚となったのを確認した後、
母体の体内(子宮)に移植します。

精子の動きや、卵子の膜を破る力が弱いなどの原因で
うまく受精しないのであれば、次に解説する顕微授精を検討します。

顕微授精法

体外受精は精子の力で自力で受精させますが、

この顕微授精法では、
顕微鏡と、微細な針を使い、卵子のなかに精子を入れます。

受精させられる可能性は高いですが、卵子の膜が弱い場合は、
卵子が壊れてうまくいかない場合もあります。

受精した受精卵が分裂し、胚となったのを確認した後、
母体の体内(子宮)に移植します。